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税制改正に関する T-3

2007年3月号

【平成19年度税制改正大綱】

1. 減価償却制度の見直し
(1) 残存価額の廃止
平成19年4月1日以後に取得をする減価償却資産について、残存価額(10%)が廃止されます。したがって、法定耐用年数経過時点で取得価額(100%)まで(備忘価額を除く)償却できるようになります。この場合の定率法の償却率は定額法の償却率(1/耐用年数)を2.5倍した数とします。(250%定率法)

(2) 償却可能限度額の廃止
@ 平成19年4月1日以後に取得する減価償却資産については、「償却可能限度額」(取得価額の 95%)が撤廃され、耐用年数経過時点に1円(備忘価額)まで償却できます。
定率法を採用している場合には定率法により計算した減価償却費が一定の金額を下回るときに、償却方法を定率法から定額法に切り替えて減価償却費を計算します。これにより、定率法を採用している場合にも、耐用年数経過時点に1円(備忘価額)まで償却できます。
※ 一定の金額とは、耐用年数から経過年数を控除した期間内に、その時の帳簿価額を均等償却すると仮定して計算した金額ですが、納税者の事務負担を考慮し、取得価額に一定割合を乗じて計算できるように、モデルケースを用いて、耐用年数ごとに一定の割合が定められます。
A 平成19年3月31日以前に取得をした減価償却資産については、償却可能限度額(取得価額の95%)まで償却をした事業年度等の翌事業年度以後5年間で均等償却をすることになります。

(3) 法定耐用年数の見直し
以下の3設備の法定耐用年数を見直します。
@ フラットパネルディスプレイ製造設備  5年(現行10年)
A フラットパネル用フィルム材料製造設備 5年(現行10年)
B 半導体用フォトレジスト製造設備    5年(現行10年)



2. 中小特定同族会社の留保金課税の適用除外
中小企業(資本金の額または出資金の額が1億円以下である会社)は、留保金課税の適用対象から除外されます。
この改正は、平成19年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。

3. 特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度の見直し
「特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入」では、基準所得金額(当該法人の課税所得金額+業  務主宰役員給与額)が800万円以下である事業年度を適用除外としていましたが、適用除外基準である  
基準所得金額が1,600万円に引き上げられます(この改正により適用対象法人が少なくなります)。
この改正は、平成19年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。
このほか、「業務主宰役員」「常務に従事する役員」の定義、持株等による判定における「同一内容の議決権に同意している者」について、国税庁通達等で明確化されます。

4. 棚卸資産会計基準への対応
棚卸資産に関する会計基準の変更に対応し、税法上の低価法の評価額について事業年度末における価額(正味売却価額)とします。
この改正は平成20年4月1日以後に開始する事業年度から適用される。

5. 役員給与税制の整備・明確化
定期同額給与について、職制上の地位の変更等により改定された定期給与についても定期同額給与として取り扱うことを明確化します。
事前確定届出給与について、その届出期限を株主総会等の日から1月を経過する日とします。

6. リース会計基準の見直しに伴う税制措置
これまで、所有権移転外ファイナンス・リースの例外処理(賃貸借処理)を廃止し、売買取引とみなす。
リース資産の借手側はリース期間で定額法により償却することになります。
この改正は平成20年4月1日以後に締結するリース契約から適用されます。なお、平成20年4月1日前に締結したリース契約に係る所有権移転外ファイナンス・リース取引の賃貸資産については、同日以後に終了する事業年度からリース期間定額法により償却することになります。